これでわかる介護保険の訪問介護 利用条件、申請から開始まで、支援内容、費用、ケアマネ・事業所の選び方 – 株式会社だんらん|三重県志摩市で提供する多彩な高齢者ケアサービス

コラム

これでわかる介護保険の訪問介護 利用条件、申請から開始まで、支援内容、費用、ケアマネ・事業所の選び方

介護保険で訪問介護を利用できる条件と対象者は?

以下は、日本の介護保険を使って「訪問介護(ホームヘルプ)」を利用するための条件・対象者と、その根拠の概要です。

利用開始までの流れや費用、使える・使えない支援の範囲も含め、できるだけ実務に即して整理します。

訪問介護を介護保険で使える人(対象者)

– 基本の前提
– 市区町村が実施主体の介護保険の「被保険者」であること
– 市区町村の要介護認定(または要支援認定)を受けていること
– 居宅(自宅やサービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームのうち特定施設以外)で暮らしていること
– 指定訪問介護事業者と契約し、ケアマネジャーの作るケアプラン(要介護)または地域包括支援センター等の作る介護予防ケアプラン(要支援)に基づいて利用すること

被保険者の区分と年齢

第1号被保険者 65歳以上の全ての人
原則、要支援1・2または要介護1~5に認定されれば利用可
第2号被保険者 40~64歳で医療保険に加入している人
要支援・要介護の認定が必要で、かつ原因が厚生労働省が定める「特定疾病」に伴う心身の状態であること(16疾病に限定)

第2号被保険者の特定疾病(代表例)

がん末期、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳血管疾患(脳卒中後遺症等)、パーキンソン病関連疾患、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、後縦靱帯骨化症、糖尿病性腎症・網膜症・神経障害、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、閉塞性動脈硬化症、骨粗しょう症による骨折、股関節・膝関節の変形性関節症、初老期における認知症 など
正式な列挙は介護保険法施行令に規定。

医師の意見書や診断内容に基づき、市区町村が認定で判断します。

訪問介護の利用に必要な認定区分

– 要介護1~5 居宅サービスとしての「訪問介護」を利用
– 要支援1・2 介護予防・生活支援サービス(総合事業)の「訪問型サービス」を利用
– 以前の「介護予防訪問介護」は原則、各市区町村の総合事業に移行。

名称や提供方法は自治体で異なることがあります。

手続きの流れ(概要)

– 申請
– ご本人または家族が市区町村の介護保険担当窓口へ要介護認定を申請(地域包括支援センターでの代行可)
– 調査・意見書
– 認定調査員による訪問調査(心身の状況、日常生活動作等)
– 主治医意見書の取得(市区町村が依頼)
– 介護認定審査会
– 調査結果と意見書をもとに審査し、要支援・要介護区分を判定
– 結果通知
– 認定有効期間が付される(初回は原則6か月、その後は12か月程度が中心)
– 非該当の場合も「総合事業の事業対象者」として軽度の支援が使える自治体もあり
– ケアプラン作成・契約
– 要介護 居宅介護支援事業所のケアマネがケアプランを作成
– 要支援 地域包括支援センター等が介護予防ケアプランを作成
– 指定訪問介護(訪問型サービス)事業者と契約、サービス開始

訪問介護でできること・できないこと

– できること(介護保険の範囲)
– 身体介護 入浴・清拭、排泄介助、食事介助、移乗・移動介助、体位変換、服薬支援、起床就寝介助、通院時の乗降介助等
– 生活援助 掃除、洗濯、整理整頓、買い物、調理、配下膳、薬の受け取りなど、本人の日常生活に必要な家事
– 通院等乗降介助 通院や外出の際の乗車・降車の支援(ルールに沿って算定)
– できないこと(保険外・原則対象外)
– 同居家族のための家事(家族の食事作りのみ、家族の部屋の掃除のみ等)
– 日常生活の範囲を超える家事(大掃除、窓拭きや庭木の剪定、家屋の修繕、引っ越し、ペットの世話など)
– 医行為(医療行為)に当たること(点滴、創傷処置等は訪問看護の対象)
– 施設入所中や入院中は利用不可(特定施設入居者生活介護や入院医療で賄うため)
– 生活援助の利用に関する留意点
– 本人の自立支援の観点や同居家族の有無・状況により必要性が精査されます。

軽度で同居家族が可能な範囲の家事は、訪問介護での算定が抑制されることがあります(厚労省通知等で運用基準あり)。

利用回数・時間の考え方

– 要介護度ごとに「支給限度基準額(単位/月)」が定められ、居宅サービス合計がその上限内で利用(訪問介護、通所介護、福祉用具等の合算)
– 同じ訪問でも「身体介護中心」「生活援助中心」で単位数が異なり、時間区分(例 20分以上~、45分以上~等)で算定が変わります
– 単位数や細かな区分は介護報酬改定で見直され、地域区分(都市部などの加算)や事業所体制による加算減算があります。

最新の単位は事業所またはケアマネに確認するのが確実です。

利用者負担(自己負担)

– 原則1~3割負担
– 多くの方は1割。

所得に応じて2割または3割になる仕組み(負担割合証で通知)
– 高額介護サービス費
– 1か月の自己負担が一定上限を超えた分が払い戻される制度あり(所得区分に応じて上限額が異なる)
– 減免・軽減
– 住民税非課税世帯等に対する負担軽減、社会福祉法人による利用者負担減免、一定の食費・居住費軽減制度(施設・短期入所等)など
– 保険料滞納が長期化した場合の給付制限
– 償還払い化や加算分の支給制限などの措置があり得ます(詳細は市区町村へ)

利用にあたっての主な条件・留意点

– ケアプランに位置づけられていること(計画外の随時利用は原則不可)
– 介護保険以外の公的制度や家族・地域資源で対応できないかも併せて検討(自立支援・重複給付防止の考え方)
– 事業所の人員・運営基準(有資格ヘルパーの配置、サービス提供責任者の関与、記録義務等)に沿って提供
– 同一建物減算や同居家族の有無などによる加算・減算が影響することがある
– 施設系サービスや入院中は訪問介護は使えない(重複給付禁止)
– 要介護度・心身状態が変わったら区分変更申請で見直し可能

根拠法令・告示・通知(代表)

– 介護保険法(平成9年法律第123号)
– 被保険者の範囲、第1号・第2号の区分、給付の種類、要介護認定の制度、利用者負担などの基本枠組みを規定
– 介護保険法施行令
– 第2号被保険者の「特定疾病」の具体的列挙、負担上限等の細部を規定
– 介護保険法施行規則
– 認定申請手続、主治医意見書の様式、調査票の細目など実務手続を規定
– 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)
– 訪問介護事業所の人員配置、資格要件、運営基準、記録義務、苦情対応などの基準を規定
– 介護報酬(厚生労働大臣告示)および算定に関する通知
– 訪問介護の区分、単位数、各種加算・減算、算定要件、生活援助の取扱い等を詳細化
– 市区町村介護保険条例・総合事業関係要綱
– 総合事業における訪問型サービスの基準・単価・対象範囲を各自治体が定める

よくある質問(実務上のポイント)

– 要支援でも「ヘルパー」は頼める?

– 可能。

名称が「介護予防・生活支援サービス(訪問型)」となり、内容・回数や単価が自治体基準で運用されます。

– 同居家族がいると生活援助は使えない?

– 一律に不可ではありません。

家族の就労状況・健康状態・介護負担・本人の自立度などを総合的に評価し、必要性が認められる範囲で位置づけられます。

– 医療的ケアが必要な場合は?

– 訪問看護(医療保険または介護保険)との併用調整を行います。

吸引等の医行為は訪問看護の範囲。

– 有料老人ホーム入居中も使える?

– 介護付き(特定施設)の場合は原則その施設サービス内で提供。

住宅型等では訪問介護を個別契約で利用可能(同一建物減算等の適用あり)。

まとめ(利用条件の要点)

– 65歳以上(第1号)または40~64歳で特定疾病が原因(第2号)
– 市区町村の要介護・要支援認定がある
– 自宅等での生活を継続し、ケアプランに基づいて指定事業者が提供
– 身体介護と生活援助が中心。

医療行為や家族専用家事、日常の範囲を超える家事は対象外
– 所得に応じ1~3割負担。

月ごとの支給限度基準額の範囲で利用
– 根拠は介護保険法・施行令・基準省令・介護報酬告示・厚労省通知、総合事業は自治体要綱に基づく

最新の単位数や自治体の総合事業の基準は毎年・隔年の介護報酬改定や地域運用で変わることがあります。

具体の可否や上限、費用見込みは、居住地の地域包括支援センターまたは担当ケアマネ、利用を検討する訪問介護事業所へ確認するのが確実です。

要介護認定の申請からサービス開始までの流れは?

以下は、介護保険を使って訪問介護(ホームヘルプ)を利用開始するまでの全体像と、実務でのポイント・根拠の整理です。

自治体(市区町村)によって運用に若干の差はありますが、全国共通の枠組みは同じです。

対象者と事前準備

– 対象年齢・条件
– 65歳以上 原因を問わず、要介護・要支援状態が想定される方。

– 40〜64歳 加齢に伴う特定疾病が原因の場合に限り対象(脳血管疾患、初老期認知症、パーキンソン病など)。

– 準備するもの(例)
– 介護保険被保険者証、本人確認書類、マイナンバー(写し・提示)
– 主治医の氏名・医療機関
– 代理申請なら委任状
– 日常の困りごと・必要な支援のメモ(入浴・排泄・食事・移動・家事の困難さ等)
– 相談窓口
– 地域包括支援センター(最寄りの包括)にまず相談すると、申請や事業所探しまで一体的に伴走してくれます。

– 市区町村「介護保険課(高齢福祉課等)」でも直接受け付け。

要介護認定の申請

– 申請先 住所地の市区町村
– 申請方法 窓口、郵送、オンライン(対応の有無は自治体による)、代理申請可(家族・包括・ケアマネ等)
– 申請後の保険給付の起算日 
– 原則、認定が下りれば「申請日」以後の利用分が保険給付の対象になります。

よって、急ぎの場合は申請直後から暫定ケアプランでサービス調整→後日認定確定後に遡って精算(本人負担1〜3割)という運用が可能です。

認定調査(自宅訪問)

– 市区町村の職員または委託調査員が自宅や入院先へ訪問し、心身の状態や生活状況を聞き取り・観察します。

– 内容 基本調査票(全国統一の項目)+特記事項(介護の手間や頻度など自由記載)
– 同時並行で主治医意見書の取得 
– 市区町村が主治医に依頼して作成。

申請者側は主治医情報の提供と、診療情報の共有同意が求められます。

審査判定(一次判定→二次判定)

– 一次判定 認定調査の客観項目をコンピュータ判定(全国共通アルゴリズム)で仮の判定を出します。

– 二次判定 介護認定審査会(保健・医療・福祉の専門職で構成)が、一次判定・特記事項・主治医意見書を総合的に審査して最終の要介護度を決定。

– 結果区分 
– 要支援1・2、要介護1〜5、非該当(自立)
– 標準処理期間 概ね30日(主治医意見書の遅れ等で延びる場合あり)。

認定結果の通知と有効期間

– 市区町村から「認定結果通知書」と介護度等が届きます。

– 初回の有効期間は原則6か月程度、更新後は12か月程度が一般的(状態に応じ短縮・延長あり)。

– 負担割合証 本人の所得に応じて自己負担が1〜3割と記載された「介護保険負担割合証」が交付されます(毎年更新)。

ケアマネジャー選定とケアプラン作成

– 要介護1〜5の場合 
– 居宅介護支援事業所(ケアマネ在籍)を選び契約。

費用は保険給付で全額カバー(本人負担なし)。

– ケアマネがアセスメント(課題分析)→居宅サービス計画(ケアプラン)原案を作成。

– 訪問介護を含むサービスを組み合わせ、本人・家族の同意を得たうえで「サービス担当者会議」を開き、事業所間で調整。

– 要支援1・2の場合 
– 地域包括支援センター(または委託先の介護予防支援事業所)が介護予防ケアプランを作成。

– 訪問型サービス(総合事業)としてのメニューを調整。

内容や利用条件は自治体ごとに異なります。

訪問介護事業所の選定・契約・個別計画

– 事業所選びの視点
– 生活圏内での対応可否、時間帯(早朝・夜間・土日)、医療的ケア連携の経験、ヘルパーの男女・人数、緊急時対応、キャンセル規程、交通費の実費負担など。

– 契約時の書類
– 重要事項説明書、契約書、個人情報同意書等。

保険証・負担割合証の確認あり。

– 訪問介護計画書(個別援助計画)
– ケアプランに沿って事業所が作成。

援助目標、頻度、時間、具体的な援助内容(身体介護・生活援助・通院等乗降介助など)を明記。

– 給付の原則
– 原則「ケアプランに位置づけられた内容・回数・時間」が保険給付の対象。

プラン外の依頼は自費(保険外)になります。

サービス開始

– 初回訪問でリスク確認・導線確認・留意事項の共有(服薬、感染対策、鍵の扱い等)。

– 以後、提供記録に基づき毎月モニタリング。

必要に応じてケアプランや訪問介護計画を見直します。

期間の目安とスピード対応

– 申請〜結果通知 通常2〜4週間、長いと1か月超。

– 結果後〜ケアプラン作成・担当者会議〜開始 1〜2週間が目安。

緊急時は申請後すぐ暫定プランで先行開始→認定確定後に遡及精算が一般的。

– 退院支援や在宅急変等では、包括やケアマネに「暫定ケアプランで早期開始」を相談するとスムーズです。

費用・上限・よくある注意点

– 自己負担 原則1〜3割(負担割合証に記載)。

月の合計自己負担が高額になった場合は「高額介護サービス費」で払い戻しあり。

– 月額の給付上限(区分支給限度基準額) 
– 要介護度ごとに「単位」で上限が定められています(要介護1で約1万6千〜1万7千単位程度…地域区分で差)。

上限超は全額自費。

– 訪問介護でできること・できないこと(例)
– 身体介護 入浴・清拭・排泄・食事介助・服薬支援・体位変換・移乗・外出介助等。

– 生活援助 掃除・洗濯・調理・買い物等。

ただし2018年以降の運用で、同居家族がいて家事が可能な場合は生活援助の給付は抑制的(家族の状況により例外あり)。

– 保険外の例 家族分の家事、庭木の剪定、ペットの世話、大掃除、長距離の単独外出同行など。

– 交通費・キャンセル料 
– 事業所ごとに実費徴収や規定あり。

契約前に確認を。

– 医療との連携 
– 褥瘡やインスリン等、医療的ケアは訪問看護の範囲。

必要時はケアプランで訪問看護と組み合わせます。

更新・区分変更・不服申立て

– 更新申請 有効期間満了の60日前から申請可。

切らすと給付が止まるため早めに。

– 状態が大きく変わったら 区分変更申請で介護度の見直し可能。

– 結果に不服がある場合 
– 都道府県の介護保険審査会に審査請求(原則通知受領から60日以内)。

ケアマネや包括に相談しながら進めるのが安全です。

具体的な進め方(実務フローのまとめ)

– 1日目 地域包括か市区町村に相談→要介護認定を申請
– 〜1週間 認定調査(自宅訪問)/主治医意見書依頼
– 2〜4週間 介護認定審査会→結果通知
– 急ぎの場合は申請直後から包括や仮のケアマネで暫定ケアプランを作成し、訪問介護事業所と暫定契約→サービス開始も可(後日、認定が出れば申請日以降分は保険扱いに調整)
– 結果後 ケアマネ正式契約→アセスメント→ケアプラン原案→サービス担当者会議→事業所と本契約→訪問介護計画→サービス開始

根拠(法令・通知・ガイドライン等)
– 介護保険法
– 介護保険の被保険者・給付の種類、要介護認定の実施主体(市町村)、審査判定(介護認定審査会)、自己負担(1〜3割)、不服申立て(介護保険審査会)などの基本枠組みを規定。

– 介護保険法施行令・施行規則
– 認定申請手続、主治医意見書、認定の有効期間、標準処理期間の設定、負担割合証の交付など、運用上の詳細を規定。

– 厚生労働省通知・事務処理手順
– 要介護認定等の実施要領(認定調査票の項目、一次判定アルゴリズム、特記事項の記載要領等)
– 介護給付の適正化通知(ケアプランに位置づけられたサービスのみ給付対象、生活援助の適正化 等)
– 介護報酬告示・通知(介護報酬改定関係)
– 訪問介護の区分(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)、単位数、各種加算、算定要件を規定。

– 介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン
– 要支援相当者の訪問型サービスの位置づけ、自治体裁量でのメニュー設計、運営基準の考え方。

– 高額介護サービス費制度の通知
– 自己負担上限(月額)と払い戻し手続の枠組み。

– 実務上の周知資料
– 厚生労働省「介護保険制度の概要」「要介護認定の手引き」
– 各市区町村の「介護保険のしおり」「要介護認定のご案内」「標準処理期間は30日」の明示

補足のコツ
– 認定待ちでも急ぎなら、申請→包括に「暫定利用したい」と伝えると動きが早いです。

– 訪問介護の生活援助は近年、適正化方針で要件が厳密。

家族の就労・障害・疾病など「家事が困難」と説明できる資料(診断書、就労証明等)があるとスムーズ。

– 事業所契約前に、交通費・キャンセル・時間帯加算やヘルパーの同性対応可否など「現場で効く条件」を必ず確認。

– 認定は更新を切らさないこと。

早めにケアマネと更新スケジュールを共有。

上記の流れに沿えば、申請から1か月前後で正式な訪問介護を開始できるのが一般的です。

緊急時は申請直後から暫定プランで前倒し利用→認定確定後に遡及精算が可能です。

具体的な日程や書類はお住まいの自治体と地域包括支援センターに確認しながら進めてください。

訪問介護で受けられる支援内容と受けられない内容は?

以下は、介護保険を使った訪問介護(ホームヘルプ)で「受けられる支援」と「受けられない支援」の考え方と代表例、それを裏づける根拠の概要です。

自治体や事業所の運用により細部の取り扱いがやや異なることはありますが、基本の枠組みは全国共通です。

1) 訪問介護で受けられる支援(代表例)
– 身体介護(利用者の心身に直接触れて行う介助)
– 食事介助(配膳、摂食の見守り・一口ごとの声かけ、むせやすさの観察など)
– 入浴介助(全身・部分浴、清拭、洗髪、浴室内での移動や更衣の介助)
– 排泄介助(トイレ誘導、オムツ交換、陰部清潔、ポータブルトイレの処理)
– 移動・移乗介助(ベッド⇔車いす、立ち上がり・歩行の介助、体位変換)
– 更衣・整容介助(衣類の着脱、爪切りの見守りと整え、口腔ケアの介助)
– 服薬支援(服薬時間の声かけ・確認、服薬カレンダーの整理等。

処方の判断や変更は不可)
– 認知症ケア(安全確保、徘徊リスクへの配慮、段取り提示、声かけ・見守り)
– 自立支援・見守り的援助(転倒リスクの観察や必要な声かけを行い、できる部分はご本人が行うよう促す。

見守りのみでも、リスク評価と具体的働きかけがあれば身体介護として位置づく場合がある)
– 通院時の院内の付添い(受付や診察室前までの誘導、検査室への移動の介助など。

ケアプラン・訪問介護計画に位置づけて実施)

生活援助(家事のうち、利用者本人の日常生活の維持に必要なもの)

調理・配下膳(一般的な家庭料理。

嚥下・疾患に配慮した調理、後片付けを含む)
掃除(利用者本人が日常的に使用する居室・トイレ・浴室・台所等の清掃)
洗濯・衣類の整理(本人の衣類・寝具の洗濯、たたみ、必要な整理)
買い物代行(食材・日用品など生活必需品の購入、処方薬の受け取りの補助。

金銭管理は本人の意思確認のもと必要最小限)
ゴミ出し(本人の生活に伴う家庭ゴミ)
ベッドメイク・簡単な縫い物(ボタン付け等の日常的範囲)

通院等乗降介助(外出時の移動に関する支援)

玄関から車両・公共交通機関までの移動、乗降の介助、目的地での乗降の介助
交通手段は原則として介護タクシーや福祉有償運送、公共交通機関等を利用。

ヘルパー私有車の送迎は不可が原則(下記「受けられない支援」参照)

併せて認められる補足的な支援の考え方

一体的援助の考え方 身体介護に付随して必要最小限の家事(例 食事介助に伴う配膳と後片付け、入浴準備の湯はり等)は、目的達成のための一体的援助として認められる
同居家族がいる場合でも、就労・疾病・障害など「やむを得ない事情」があれば、本人の生活維持のために生活援助を位置づけられる

2) 訪問介護で受けられない支援(代表例)
– 医療行為に該当するもの(訪問看護の領域)
– 注射・点滴・血糖測定(穿刺を伴う)・創傷処置・褥瘡処置・インスリン注射等
– 胃ろうのカテーテル交換などの医療判断を要する行為
– 例外 喀痰吸引・経管栄養は、所定の研修を修了し登録を受けた事業所・職員が、医師の指示等に基づく体制下で実施する場合のみ可能

家政婦・ハウスクリーニング等に近い行為(本人の通常生活維持を超えるもの)

家族のための家事(家族分の食事作りや洗濯、家族の居室の掃除等)
大掃除・特別な清掃(窓拭き全面、換気扇・レンジフード分解清掃、カビ取りの徹底、ワックスがけ等)
庭木の剪定・草むしり・雪かき・車の洗車・家屋の修繕
大量の買いだめや家具・家電等の購入付き添い、ネット通販の選定代行など日常を超える行為

娯楽・趣味が主目的の外出付き添い

観光・娯楽目的の外出、友人宅訪問への付き添い等(ケアプラン上の自立支援目的の評価と位置づけがあり、かつ適正なサービス区分で実施できる場合を除き原則不可)

不適切・違法の恐れがあるもの

金銭や通帳・印鑑等の預かり、代理での預金引き出し、財産管理や契約行為の代行
医療機関・役所窓口での本人に代わる意思決定・同意
たばこ・酒類・ギャンブル関連の購入
介護職員が私有車で送迎・運転(道路運送法に抵触するため原則不可。

運送は介護タクシーや福祉有償運送など合法の仕組みを活用)

その他の制限

長時間の留守番や見守りのみの滞在(具体的な介護目的や自立支援の働きかけがない単なる在宅留守番は不可)
引っ越し手伝い、荷造り・大規模な家具移動
ペットの世話、観葉植物の手入れ等は原則不可
同一時間帯に他サービスと重複算定すること

3) グレーゾーンになりやすい例と判断のポイント
– 買い物での「嗜好品」 日常の食生活の範囲に収まる菓子などは計画の範囲で可となることがある一方、酒・たばこ・高級嗜好品は不可が基本
– 布団干し 本人の衛生管理のため必要な範囲であれば可だが、頻回の大掛かりな作業や家族分は不可
– 処方薬の受け取り 本人の委任とケアプラン位置づけのもと、通院支援や買い物代行の一環として取り扱われることがある。

薬の内容の判断・変更は不可
– 院内付き添い 乗降とドアtoドアの移動は「通院等乗降介助」。

院内の誘導や受診支援は「身体介護」として計画化して実施するのが一般的

4) 利用の前提と進め方(簡単に)
– 要介護認定(要支援1・2は訪問型サービス)、ケアマネジャーがケアプランを作成
– 訪問介護事業所と契約し、サービス提供責任者がアセスメントの上「訪問介護計画書」を作成
– 身体介護・生活援助・通院等乗降介助など、目的と内容を明確化
– 実施内容はモニタリングで見直し、自立支援の観点から過不足を調整

5) 根拠(法令・通知・制度の概要)
– 介護保険法
– 訪問介護は介護保険法で規定される居宅サービスの一つ。

第8条(定義等)において、要介護者が日常生活を営むのに必要な介護等を給付する旨が定義される
– 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)
– 全国一律の運営基準を定める省令で、「指定訪問介護」の人員・設備・運営・記録・提供内容等の基準が示される
– 訪問介護のサービス区分(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)や、提供時間、記録、サービス提供責任者の配置、計画書の作成などの要件がここに基づく
– 厚生労働省の通知・Q&A(事務連絡)
– 訪問介護における「生活援助」の範囲、同居家族がいる場合の取り扱い、「一体的援助」として認められる付随行為、自立支援・見守り的援助の考え方などが、厚生労働省のQ&Aや通知で具体化されている
– ケアマネジメントに基づく必要性の説明責任、過剰な家事提供の抑制、生活援助中心型の適正化等の方針もここで整理されている
– 医療行為の禁止に関する法令
– 医師法・保健師助産師看護師法により、医行為は原則として医師・看護師等に限られる
– 介護職員による喀痰吸引・経管栄養は、関連法改正に基づく特例制度(所定研修・登録と医師の指示等の体制整備)により限定的に実施可能
– 移送・送迎に関する法令
– 道路運送法に基づき、対価を得て人を運送するには適法な運送手段(介護タクシー、福祉有償運送等)が必要。

ヘルパーの私有車送迎は原則不可
– 併給・算定ルール
– 同一時間帯の重複請求の禁止、ケアプラン・訪問介護計画に即した提供・記録義務は、上記省令や介護報酬告示・通知により定められている

6) トラブルを避けるコツ
– 何のための支援か(本人の自立・生活維持に直結するか)を明文化し、計画書に落とし込む
– 「誰のための家事か」(本人か家族か)、「日常的か特別か」(大掃除等は不可)、「医療行為に該当しないか」を常に確認
– 通院・外出支援は、移動部分(通院等乗降介助)と院内支援(身体介護)を区分し、適正に算定
– 介護保険でできないことは、必要に応じて介護保険外(自費)サービスや他制度(訪問看護、配食、福祉有償運送、住宅改修等)を組み合わせる

最後に
– 実際の可否は、要介護度、心身の状態、同居家族の有無・状況、地域資源、そしてケアプラン・訪問介護計画の位置づけにより判断されます。

具体例で迷う場合は、ケアマネジャーと訪問介護のサービス提供責任者に「目的」「頻度」「方法」「代替手段の有無」を説明し、法令・通知に照らした説明をもらうのが確実です。

– 根拠資料は、厚生労働省のウェブサイト(介護保険最新情報、指定基準、省令、訪問介護Q&A)に公開されています。

制度改正で運用が更新されることがあるため、最新情報の確認をお勧めします。

利用料金の自己負担や支給限度額、負担割合はどう決まる?

以下は、介護保険を使って「訪問介護(ホームヘルプ)」を利用する際の、自己負担(利用者が支払う額)、区分支給限度基準額(いわゆる月ごとの支給限度額)、負担割合(1割・2割・3割)の決まり方を、2024年度時点の制度にもとづいて整理したものです。

最後に根拠法令や公的資料も挙げます。

地域や年度の改定で細部が変わることがあるため、お住まいの市区町村や担当ケアマネジャーでの最終確認をおすすめします。

利用の前提と流れ(簡単なおさらい)

– 対象者
– 第1号被保険者(65歳以上) 要支援1・2、要介護1~5の認定があれば利用可(要支援は原則「介護予防・日常生活支援総合事業」での訪問型サービス、要介護は介護保険の居宅サービスとしての訪問介護)。

– 第2号被保険者(40~64歳の医療保険加入者) 特定疾病が原因で要支援・要介護認定を受けた場合に利用可。

– 流れ
– 市区町村に要介護認定申請 → 認定(要支援/要介護) → ケアマネジャーがケアプラン(訪問介護の回数・内容・併用サービス等)を作成 → 事業所と契約 → 利用開始。

– ケアマネの支援(居宅介護支援費)に自己負担はありません。

負担割合(1割・2割・3割)の決まり方

– 基本は1割負担(自己負担10%)。

残りは保険から給付(9割)されます。

– ただし、所得が一定以上の方は2割(20%)または3割(30%)になります。

判定は市区町村が前年の所得等を基に行い、毎年8月頃に「介護保険負担割合証」で通知されます(有効期間は通常8月1日~翌年7月31日)。

– 判定の大まかな基準(2024年度目安。

詳細な線引きや例外は自治体の運用や最新通知で必ず確認)
– 1割 原則。

住民税非課税世帯や課税でも一定以下の所得。

– 2割 合計所得金額が一定以上で、年金収入等の合計が概ね次の水準以上の場合
– 単身世帯 おおむね年金収入等280万円以上
– 2人世帯(本人+同一世帯の65歳以上の配偶者等) おおむね346万円以上
– 3割 より高所得の方
– 単身世帯 おおむね年金収入等340万円以上
– 2人世帯 おおむね463万円以上
– 重要ポイント
– 判定は医療の「現役並み」判定と基準が異なる部分があります。

介護は「負担割合証」に従います。

– 世帯状況(同一世帯の65歳以上の配偶者の所得)で判定が変わることがあります。

– 第2号被保険者(40~64歳)も原則は同様の割合ルールですが、具体の判定は市区町村の負担割合証で確認します。

区分支給限度基準額(在宅サービスの月ごとの上限)

– 訪問介護を含む「居宅サービス」は、要介護度ごとに「1か月に保険給付の対象となる上限(区分支給限度基準額)」が決められています。

基準は「単位(ポイント)」で示され、原則1単位=10円(地域区分により10円×地域係数)で円換算します。

– 2024年度時点の居宅サービスの区分支給限度基準額(月あたり、単位数の目安)
– 要支援1 5,003単位(約5.0万円相当)
– 要支援2 10,473単位(約10.5万円相当)
– 要介護1 16,692単位(約16.7万円相当)
– 要介護2 19,616単位(約19.6万円相当)
– 要介護3 26,931単位(約26.9万円相当)
– 要介護4 30,806単位(約30.8万円相当)
– 要介護5 36,065単位(約36.1万円相当)
– 注意
– 地域区分により円換算額は上下します(例 都市部は1単位あたりの円換算が高め)。

– 上記の限度額は、訪問介護、通所介護、訪問看護(原則の範囲)、福祉用具貸与などの「居宅サービス」の合算で管理されます。

ケアマネ(給付管理)が調整します。

– 限度額の対象外となる費用があります(例 住宅改修は原則20万円までの別枠、特定福祉用具販売は原則年10万円までの別枠)。

また、施設サービスや短期入所の食費・居住費は別の補助制度(補足給付)の対象です。

自己負担(実際に払う額)の考え方

– サービスごとに「基本単位(たとえば訪問介護・身体介護30分~1時間=417単位 等)」が定められ、加算(処遇改善加算、特定事業所加算、早朝夜間・深夜、緊急時等)や減算がつきます。

– 1か月の合計単位(×地域係数×10円)を円に換算し、そのうち区分支給限度基準額の範囲内は「負担割合(1~3割)」を利用者が支払います。

限度額を超えた部分は「全額自己負担(10割)」となります。

– 介護保険の対象外(法定外)費用(例 事業所のサービス提供圏外への送迎の実費、キャンセル料、保険適用外の自費延長など)は、別途全額自己負担です。

計算イメージ(例)

– 条件
– 要介護2(区分支給限度基準額 19,616単位)
– 住んでいる地域の単位円換算 1単位=10.50円(例)
– 負担割合 2割
– 利用内容 身体介護(30分~1時間)×週2回(1回417単位)+生活援助(45分以上)×週1回(1回231単位)
– 月あたりの概算単位
– 身体介護 417単位×8回=3,336単位
– 生活援助 231単位×4回=924単位
– 小計 4,260単位
– 処遇改善等の包括的加算(例として総単位の5%相当が加算される場合) 約213単位
– 合計 4,473単位
– 円換算
– 4,473単位×10.50円=約46,966円
– 自己負担(2割)
– 約46,966円×20%=約9,394円
– 限度額超過のケース
– 仮に他サービス併用で総単位が限度の19,616単位を超えた場合、超過分は10割自己負担(例 500単位超過なら500×10.50円=5,250円が追加の全額負担)になります。

高額介護サービス費(自己負担の月額上限)

– 同一世帯で1か月に支払った介護サービスの自己負担(1~3割相当分)の合計が、所得区分に応じた上限額を超えた場合、超過分が後日払い戻されます(高額介護サービス費)。

– 目安の上限(月額・世帯単位、2024年度時点)
– 現役並み所得・一般(住民税課税世帯) 44,400円
– 低所得II(世帯全員が住民税非課税) 24,600円
– 低所得I(年金収入等がより低水準の非課税世帯等) 15,000円
– 申請は市区町村窓口。

払い戻しは数か月後になることがあります。

– 医療と介護を合算できる「高額医療・高額介護合算制度」(年単位の上限管理)もあります。

外来・入院の自己負担が多い方は、ケアマネや保険者に相談するとよいでしょう。

訪問介護特有の費用の留意点

– 訪問介護の種類
– 身体介護(入浴・排泄・清拭・移乗・食事介助等)
– 生活援助(掃除・洗濯・買い物・調理等)
– 通院等乗降介助(通院時の移動・乗降介助等、要件あり)
– 早朝・夜間・深夜帯の割増、同一建物減算、初回加算、生活機能向上連携加算など、状況に応じた加算・減算が適用され、自己負担はそれらを含めた総額の負担割合分になります。

– 事業所ごとに「法定外」の実費(例 通常の提供エリア外の交通費、特別な材料費等)が規程で定められている場合があります。

契約前に重要事項説明書で確認しましょう。

要支援の方(総合事業)の注意点

– 要支援1・2の方の訪問型サービス(総合事業A・B型等)は、自治体の基準で提供されます。

基本的な支給限度額の考え方は同様ですが、サービス形態や単価、組み立て(回数パック等)が地域ごとに異なる場合があります。

担当の地域包括支援センターで確認してください。

まとめ(決まり方の要点)

– 負担割合(1~3割) 前年所得等により市区町村が判定し「負担割合証」に明記。

原則1割、一定以上の所得で2割または3割。

– 区分支給限度基準額 要介護度ごとに月単位の上限(単位数)が定められ、在宅サービスの合算で管理。

限度内は負担割合分、超過は10割自己負担。

– 実際の請求 サービスの基本単位+加算・減算を合算し、地域係数で円に換算。

自己負担はその一定割合。

高額介護サービス費で世帯の月額自己負担には上限がある。

根拠法令・公的資料(代表例)

– 介護保険法(平成9年法律第123号) 保険給付の基本、自己負担の原則、要介護認定、給付の種類など。

– 介護保険法施行令・施行規則 給付や負担に関する具体的な政省令基準。

– 介護報酬に関する厚生労働省告示・通知
– 指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(いわゆる「介護報酬告示」) サービスごとの単位数、加算・減算の定義。

– 居宅サービスの区分支給限度基準額(単位数)に関する告示・通知。

– 厚生労働省「介護保険制度の概要」「介護給付費等の算定構造」「介護保険最新情報」
– 利用者負担(1~3割)の所得判定、高額介護サービス費の上限、総合事業の位置づけ等に関するガイドラインやQ&A。

– 市区町村が交付する「介護保険負担割合証」 個々人の負担割合の正式な根拠書類。

– 各自治体の公式サイト 区分支給限度基準額(単位)、地域係数、高額介護サービス費の申請方法、法定外費用の取扱い等の最新情報。

最後に
– 介護報酬や単位、加算は3年ごとの介護報酬改定や臨時改定で変わることがあります。

また、負担割合の所得基準や高額介護サービス費の上限も見直されることがあります。

最新情報はお住まいの市区町村、地域包括支援センター、担当ケアマネジャー、または厚生労働省の公的資料で必ずご確認ください。

– 契約前には、事業所からの重要事項説明書で、介護保険内の費用、加算、法定外の実費、キャンセル規程などを確認し、不明点は遠慮なく質問することが大切です。

ケアマネジャーや事業所の選び方・変更方法は?

以下は、介護保険で訪問介護(ホームヘルプ)を利用する際の「ケアマネジャー(介護支援専門員)や事業所の選び方・変更方法」を、実務の流れと法的根拠の両面から整理した詳説です。

要介護認定のある方(要介護1〜5)を主眼に、要支援の方(総合事業・介護予防)にも触れます。

前提整理(要介護と要支援、誰が調整するか)

– 要介護1〜5 居宅介護支援事業所に所属するケアマネがケアプランを作成し、訪問介護事業所の調整・連絡・給付管理を行います。

– 要支援1・2(または事業対象者) 原則、地域包括支援センターが介護予防支援(ケアマネジメント)を担い、必要に応じて居宅介護支援事業所へ委託されます。

訪問介護は市町村の介護予防・日常生活支援総合事業(訪問型サービスA等)として提供されることがあります。

ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)の選び方
重視したい観点

– 中立性・複数案提示 同一法人のサービスばかりを勧めず、複数の事業所を比較・提案できること。

囲い込みを避ける姿勢は運営基準上も求められます。

– 生活像に沿うアセスメント力 生活歴・価値観・家族状況・医療課題・住環境まで把握し、優先順位を立てられること。

ICF視点での課題整理やリスク評価が丁寧かを確認。

– 連携力 主治医、退院調整、訪問看護、福祉用具、住宅改修、地域資源(配食・見守り等)と速やかに繋げる力。

退院前カンファやサービス担当者会議をきちんと開けるか。

– 迅速性と見える化 初回訪問の早さ、連絡手段(電話・メール・LINE等の可否)、緊急時対応ルール、月次モニタリングの報告の分かりやすさ。

– 継続性 担当者の在籍年数、事業所の人員体制(主任介護支援専門員の配置など)、引き継ぎ体制。

– 倫理・権利擁護 意思決定支援の姿勢、本人の同意手続、個人情報保護、虐待防止やハラスメント対応の方針。

– 費用 居宅介護支援の利用者負担は現在ゼロ円(保険給付で全額賄われます)。

有料化の勧誘等には注意。

情報源
– 市区町村の介護保険窓口・地域包括支援センター(担当ケアマネの紹介・事業所一覧)
– 都道府県の介護サービス情報公表制度サイト(事業所の人員体制、加算状況、苦情件数などが閲覧可能)
– 医療機関の地域連携室、知人・家族会の口コミ
面談時に確認したい質問例
– 24時間の連絡体制は?
不在時のバックアップは?

– 退院時の調整・カンファレンスの経験は?

– 医療依存度が上がった場合の在宅継続支援(訪問看護連携等)の実績は?

– 同一法人のサービス以外も公平に提案してくれるか?

– 緊急ショート、レスパイトの調整経験は?

– 変更や苦情への対応フローは?

ケアマネの変更方法(要介護者)
原則

– 利用者はいつでもケアマネ(居宅介護支援事業所)を変更できます。

ペナルティは原則ありません。

契約書面の定めに沿って解約・引継ぎを行います。

手順
1) 受け皿の確保
– 新たに受任可能な居宅介護支援事業所を探し、開始可能日を確約してもらう(受任の内諾)。

2) 旧事業所へ解約の意思表示
– 口頭+書面が望ましい。

希望する終了日と理由(任意)を伝える。

トラブル防止のため、新旧の開始・終了日をずらさず連続させる。

3) 情報の引継ぎ
– 利用者本人・家族の同意のもと、居宅サービス計画書、アセスメント、モニタリング記録、サービス担当者会議の議事録等の共有を依頼。

新ケアマネが収集を主導してもよい。

4) 新事業所と契約
– 新たな居宅介護支援契約を締結。

サービス担当者会議で訪問介護事業所等に計画共有。

5) 給付管理・月替わりの留意
– 月途中の変更も可能ですが、給付管理の重複請求を避けるため、月初・月末切替が実務上スムーズ。

急を要する場合は日割りの整理を新旧ケアマネ間で調整。

困ったときの支援先
– 新しいケアマネが見つからない、受任を断られ続ける場合は市区町村の介護保険課または地域包括支援センターへ。

暫定対応やあっせんを受けられます。

訪問介護事業所の選び方
見るべきポイント

– 提供時間帯・対応の柔軟性 早朝・夜間・土日、急な変更や延長の可否、キャンセル規程。

– サービスの質 特定事業所加算の有無(計画・研修・指導体制の充実指標)、ヘルパーの経験年数、定期的な同行・指導、記録の丁寧さ。

– 生活ニーズ適合 調理・掃除・買物・通院介助など具体の希望への適合。

同性介助の可否、入浴介助の安全対策、口腔ケア等のスキル。

– 医療・リスク対応 インスリン後の観察、嚥下リスク、褥瘡リスク等の連携と限界の説明(医行為は不可)。

訪問看護との協働実績。

– 事故・苦情対応 ヒヤリハットの記録・再発防止策、賠償保険加入、苦情窓口の明示。

– 費用・加算・実費 早朝夜間・深夜加算、同一建物減算の適用有無、交通費の実費基準(保険適用外の移動に限り事前同意が必要)。

見積りと重要事項説明の透明性。

– 体制の安定 ヘルパーの在籍数・定着、サ責(サービス提供責任者)の配置、欠員時の代替体制。

– ハラスメント対策 利用者・家族からの暴言暴力やセクハラへの事業所方針(双方の安心のため重要)。

確認手段
– 重要事項説明書・運営規程の提示を受ける
– 初回同行(ケアマネ同席)で現場力を確認
– 都道府県の介護サービス情報公表で加算・体制を確認

訪問介護事業所の変更・ヘルパー交代
変更の進め方
1) 新事業所の内諾と開始日を確保

– 希望する曜日・時間枠が押さえられるか先に確認。

2) 現行事業所へ解約通知
– 契約に定める解約手続に従い、書面で。

一般に不当な違約金は認められませんが、当日キャンセル料など契約に基づく実費は発生しうるため事前確認。

3) 引継ぎ会議
– ケアマネ主催のサービス担当者会議で生活歴・留意点・リスク・個別手順(入浴・移乗・見守りポイント等)を共有。

4) 開始後の微調整
– 初月は特に記録を丁寧に見て、時間配分や手順の見直しを行う。

ヘルパー個人の交代を希望する場合
– まず事業所のサ責に具体的な理由(相性、安全面、同性介助希望、時間厳守など)を伝える。

運営基準上、利用者の意思尊重・安全確保に配慮し、可能な範囲で調整されます。

– 交代が難しければ事業所自体の変更も検討。

トラブル時の相談・苦情解決

– まずは事業所の苦情受付窓口・管理者へ。

運営基準で苦情対応体制の整備が義務付けられています。

– 次に担当ケアマネ、地域包括支援センター、市町村介護保険課へ。

サービス調整や事業所の紹介、第三者的な助言が得られます。

– 都道府県(または指定都市等)の所管部署は指定・指導監督権限を持ち、重大・継続的な不適正が疑われる場合に相談可能。

– 消費生活センター、各地の福祉サービス運営適正化委員会(社会福祉協議会内)も苦情受付のルートになり得ます。

よくある誤解・注意点

– 居宅介護支援(ケアマネ業務)の自己負担は原則ありません。

ケアプラン作成料を直接請求することはできません。

– 訪問介護でできること・できないことが制度で決まっています。

例えば医療行為(インスリン注射、血圧薬の調整等)は訪問看護の領域。

日常的な調理・掃除でも「本人の日常生活に必要な範囲」の基準があります。

事前に重要事項説明で線引きを確認。

– 事業所変更は月初・月末が運用しやすいですが、必要な場合は月途中でも可能。

給付管理の重複にならないようケアマネ同士で日付調整を。

根拠(法令・通知・公的制度)

– 介護保険法
– 基本理念として、自立支援と利用者本位・選択の尊重が掲げられ、利用者はサービス・事業者を自由に選択できます。

– 地域包括支援センターの設置・業務(要支援者の介護予防支援)や、指定居宅サービス・指定居宅介護支援の枠組み、指定・監督、苦情への対応等が規定。

– 指定居宅介護支援の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)
– 利用者の意向の把握・意思決定支援、サービスの中立公正な紹介、複数の選択肢提示、苦情処理体制、個人情報保護、サービス担当者会議の開催、モニタリング、給付管理等を規定。

契約・解約の説明義務も含まれます。

– 指定訪問介護の人員、設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)
– サービス内容の明確化、重要事項説明、利用者の人格尊重・プライバシー配慮、苦情対応、安全管理、事故防止と報告、記録義務等。

実費徴収の範囲や事前同意の必要性も通知で整理。

– 介護サービス情報の公表制度
– 介護保険法に基づき、都道府県が指定事業者の情報(人員・運営・加算等)を調査・公表する仕組み。

事業所選びの公的情報源です。

– 厚生労働省通知・ガイドライン
– ケアマネジメントの標準化・質向上(アセスメント、ICF、リスク管理、サービス担当者会議運用)のガイドライン。

– 公正中立なケアマネジメントの徹底、特定事業所集中減算等による囲い込み抑止に関する取扱い。

– 所管・監督
– 訪問介護・居宅介護支援の指定・監督は原則都道府県(政令指定都市・中核市等を含む)が実施。

苦情が解決しない場合の相談先になります。

– 自己負担
– 居宅介護支援費は保険給付で賄われ、原則利用者負担なし。

訪問介護は1〜3割負担。

加算・減算は保険点数に反映し、利用者負担はその割合で生じます。

保険外の実費(遠距離の交通費等)は事前合意が必要。

実務のコツ(チェックリスト)

– ケアマネ選び
– 初回面談で生活像の聴取姿勢や提案の幅・具体性を確認
– 重要事項説明・個人情報同意・苦情窓口の明示があるか
– 主任ケアマネの支援体制・不在時バックアップの説明があるか
– 訪問介護選び
– 希望時間帯が確保できるか、代替案の提示はあるか
– サ責の現場把握・初回同行の有無、緊急連絡体制
– 実費・キャンセル規程を文書で確認
– 変更手続
– 新受け皿確保→旧事業所解約→引継ぎ→新契約の順序で空白期間を作らない
– 月途中変更は新旧ケアマネで給付管理の重複防止を確認
– 記録(議事録・計画・同意書)は控えを保管

最後に
利用者には「選ぶ権利」と「変更する権利」があります。

ケアマネは中立公正な立場で複数サービスを提案し、本人の意思決定を支えることが義務づけられています。

迷ったら、まず地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に相談してください。

公表制度の情報と現場の面談を組み合わせ、納得できる体制を作ることが、在宅生活を安定させる最短ルートです。

【要約】
介護保険で訪問介護を使えるのは、被保険者で要支援・要介護認定を受け居宅で生活し、ケアプランに基づき指定事業所と契約する人。65歳以上は原則可、40~64歳は特定疾病に起因する場合。手続は申請→調査・意見書→審査→認定→プラン作成。身体介護・生活援助等は可、家族分の家事や医行為等は不可。支給限度内で時間区分に応じ算定。要支援は総合事業の訪問型サービスを利用。施設・入院中は不可。生活援助は同居家族の状況で精査。